東京都の小池百合子知事は26日、自身が特別顧問を務める希望の党の執行部が、自身の「排除」を検討しているとされることに、無言を貫いた。都庁退庁の際、報道陣に「(希望執行部が)離党を求める動きもあるようですが」と問われたがコメントしなかった。

 一方、希望の党はこの日の両院議員懇談会で、安保関連法と憲法に関する党の統一見解をまとめたが、小池氏はこの統一見解についても「聞いておりません」と述べるにとどめた。

 統一見解は、執行部と希望結党メンバーの亀裂をさらに深める内容。希望結党メンバーの松沢成文参院議員団代表は「反対だ。執行部は安保や憲法で主張を変節させた」と批判し、党を割るよう求めた。

 両院懇では、玉木雄一郎代表が「野党の大きな固まりをつくるため、希望が主体的に統一会派結成を働き掛けたい。対象は旧民進系だ」と、「先祖返り」のような発言。松沢氏だけでなく、昨年11月の共同代表選で玉木氏と争ったリベラル系の大串博志衆院議員も、基本政策をめぐる見解の相違を理由に「分党」を要求。結論は来週に持ち越したが、希望は「3分裂」する可能性が出てきた。

 執行部は来週の役員会や党会合を経て最終方針を決めるが、小池氏の反発も予想される。【中山知子】