昨年12月の宮司殺害事件後、参拝客が激減した富岡八幡宮で、氏子たちは再興に向け動きだしている。富岡八幡宮の御輿(みこし)総代連合会の総会が29日行われ、江戸3大祭りの1つで、30万人の人出でにぎわう8月の深川八幡祭りの御輿渡御を、例年通りに実施することを決めた。
富岡八幡宮の祭りは3年周期で、53基の町御輿が渡御する「本祭り」(昨年)に続く今年は、神社の宮御輿(二の宮)を地域の氏子が交代で担ぐ「御本社祭り」にあたる。御本社祭りの翌年、本祭りの前年に子ども御輿が渡御する「陰祭り」もこれまで通りに行う。
二の宮は、宮司の富岡長子さん(58)を殺害したとされる弟の元宮司茂永容疑者(56)が氏子らに送った手紙で、茂永容疑者の息子以外の宮司の下で「一の宮と二の宮御輿を出す事を今後一切禁止します」とし、背けば「祟(たた)り続けます」と記載。富岡八幡宮は今後の夏祭りの実施方法を未定としていた。
富岡八幡宮は先月、事件を受けておはらいを実施。氏子らは富岡家と八幡宮の問題は別の問題と区別し、富岡家の争いが発端の身勝手な“祟り話”などに屈せず、深川の御輿を守っていく覚悟だ。
富岡八幡宮は来月25日の東京マラソンの折り返し地点。同日は、氏子らが町御輿で盛り上げる。東京五輪・パラリンピックが開催される20年夏は「本祭り」の年にあたる。1640年代から370年以上の伝統を持ち、江戸時代から「御輿深川、山車神田、だだっぴろいが山王さま」と愛されてきた深川八幡祭りを、国内外からの観光客に披露する。【清水優】

