史上初の中学生五段誕生なるか!? 将棋の史上最年少プロ、藤井聡太四段(15)の昇級と昇段のかかる第76期名人戦・順位戦C級2組9回戦、対梶浦宏孝四段(22)戦が1日午前10時、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。

 藤井は、50人による変則10回戦で3人の昇級枠を争うこのクラスで、現在8戦全勝と単独首位。今泉健司四段と佐々木大地四段が7勝1敗で追う。昨年6月の叡王戦でも下している梶浦にここで再度勝てば、最終10回戦を待たず、C級1組への昇級を決める。同時にC2からC1に上がれば五段という規定を満たし、即日、昇段となる。

 中学生プロは過去、加藤一二三・九段(引退)、谷川浩司九段、羽生善治竜王、渡辺明棋王といるが、在学中に昇段していない。

 午前9時35分、先に入室した藤井は着座すると、手慣れた様子で黒いリュックの中から保冷用のポーチと扇子を取り出す。対する梶浦は同9時47分に入ると、詰めかけていた約20人の報道陣に一瞬、たじろいだ。正座して呼吸を整えると、駒を並べ始めた。

 初手に1分考えた先手の梶浦は先手2六歩、後手藤井は後手8四歩と、お互いに飛車先の歩を突いて始まった。

 対局の持ち時間は各6時間の長丁場。昼食、夕食の休憩を挟んで、深夜に決着の見込み。