死刑確定後、静岡地裁の再審開始決定を受けて釈放された袴田巌さん(82)を支援する「袴田巌死刑囚救援議員連盟」が19日、都内で集会を開いた。

 同連盟は、超党派の国会議員から組織されている。会長を務める自民党の塩谷立(りゅう)衆院議員は「釈放からすでに4年。公平公正な司法判断、早期の再審開始を求めたい」と述べた。東京高裁は今春、再審の可否を判断する予定。

 袴田さんは、1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人殺人事件で死刑が確定。しかし、2014年に静岡地裁が「捜査機関が証拠を捏造(ねつぞう)した疑いがある」として、再審開始決定を下した。袴田さんは48年ぶりに獄中から解放されたが、検察は即時抗告。再審開始は棚上げになっていた。

 集会に出席した姉、秀子さん(85)は「長く獄中にいたので、まだ精神的に不安定な部分もある。何とか早く、再審を開始してほしい」。袴田事件弁護団の西嶋勝彦団長は「この事件は、最初から『袴田が犯人』という先入観のもとで捜査が進んだ」と、検察や裁判所の対応を批判した。

 この日は、袴田さんの再審無罪を求める支援団体も参加。高裁が再審開始決定を出した場合にも、検察が特別抗告をしないよう求める要請書を塩谷氏に託した。議連は上川陽子法相に提出する。