安倍政権の評価や東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題が問われた新潟県知事選は10日、投開票され、与党が支援した前海上保安庁次長の花角英世氏(60)が、5野党の支持を受けた「野党統一候補」の元県議池田千賀子氏(57)ら2人を破り、初当選を確実にした。

 16年参院選、同年知事選と17年衆院選で野党共闘3連勝の新潟で与党側が4連敗を辛うじて回避した。

 事実上の与野党激突。森友、加計学園問題がくすぶり続ける中、与党にとっては安倍首相の政権運営や、9月の自民党総裁選3選戦略にも打撃を与えかねない背水の陣だった。16年県知事選、同年参院選新潟選挙区、昨年の衆院選も6つの小選挙区のうち、2つしか勝てず3連敗の新潟で4連敗は許されなかった。

 花角氏は二階俊博・自民党幹事長の旧運輸相時代の秘書官。勝敗は二階氏の責任にも影響しかねなかったが、街頭では自民党色を薄めた「ステルス作戦」、水面下では組織固めを徹底し、逃げ切った。

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題も争点だった。花角氏は、県独自の検証後、再稼働の是非をめぐる出直し知事選の検討を主張している。