架空の領収書を提出するなどして政務活動費(政活費)約690万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元神戸市議の橋本健被告(38)の判決公判が29日、神戸地裁で開かれた。川上宏裁判長は「私欲のために制度を悪用しており、議員の立場を忘れたコンプライアンス(法令順守)の低さはあきれざるを得ない」などとして懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。

橋本被告は紺のスーツ姿で入廷し、判決を身動きせずに聞き入った。退廷の際、目はうるんでいた。判決によると、印刷業者名義の架空の領収書を添付した収支報告書を作るなどして、11~14年度の政活費計約690万円をだまし取った。

橋本被告は昨年、女性ボーカルグループ「SPEED」メンバーで自民党の今井絵理子参院議員(35)との不倫疑惑と、不正受給問題が発覚。昨年8月に市議を辞職した。今井議員は今月3日、自身のブログで橋本被告との交際を宣言している。

橋本被告は判決後“超スピード”で車に乗り込み立ち去った。夕方放送のカンテレの報道番組「報道ランナー」のインタビューに応じ、今後の交際について「皆さん気になるだろうし、私どもも無関心ではありませんが、ここでお答えするものではありません」と明言を避けた。【松浦隆司】