日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)の役員報酬を巡る有価証券報告書の虚偽記載事件で、金融商品取引法違反の罪で起訴された前代表取締役グレゴリー・ケリー被告が25日、東京拘置所から保釈された。保釈保証金は7000万円で即日納付。東京地検は準抗告したが、地裁は棄却した。

ケリー被告は午後10時50分ごろ、弁護人と車で拘置所を出た。70人ほど集まった報道陣には対応しなかった。

ゴーン容疑者については20日、東京地裁が東京地検特捜部の勾留延長を認めない決定をしていたが、保釈の可能性があった翌21日、私的な投資の損失を日産に付け替えたとして会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕された。その後、地裁は1月1日までの勾留を認める決定を下している。

一方、ケリー被告は21日に東京地裁に保釈を請求していた。

2人は15年3月期までの5年間に計約48億6800万円を記載しなかったとして起訴されており、ケリー被告は起訴後の勾留となっていた。