私的な投資の損失を日産自動車に付け替えたとして特別背任容疑で再逮捕された、前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の勾留理由開示手続きが8日、東京地裁で開かれた。昨年11月19日に金融商品取引法違反の疑いで逮捕後、初の公の場で、ゴーン容疑者は「私は無実だ」と声高に訴えた。弁護人によると、接見の際は心情を吐露せず、取り調べの対処法を尋ねるなど、妥協なき合理化を目指した経営者らしい顔を見せているという。弁護側は同日、勾留の取り消しを東京地裁に請求した。

  ◇    ◇    ◇

ゴーン容疑者の勾留期限は11日に切れるが、大鶴弁護士は「今後、4回目の逮捕があるかないのか、何とも分からない」と口にした上で「第1回公判が開かれるまでに少なくとも半年はかかる」との見通しを示した。その理由について、金融商品取引法違反と特別背任容疑に問われる中「非常に難しい事件かつ証拠も英語、日本語のものが、いろいろ混在している」と説明した。

また保釈の見通しについて「一般的に言うと、『人質司法』などと弁護士は強く批判するが、第1回公判までは保釈が認められないケースが非常に多い」と説明。「特別背任を全面的に否認すると、少なくとも第1回公判まで地裁の令状部は保釈を認めないケースが多かろうと思う」とも語った。ゴーン容疑者にもその見通しは、ずっと説明しているといい「非常に困ったことだと考えておられると思う」と語った。