自民党二階派に所属する田畑毅(つよし)衆院議員(46=比例東海)が、女性との間のトラブルを理由に、党側に離党届を提出したことが15日、分かり、党内で衝撃が広がっている。

深刻なトラブルが理由の1つとの情報もある。今年は、ただでさえ自民党に厳しい12年に1度の「亥(い)年選挙」の年。春の統一地方選、夏の参院選が重なる選挙イヤーに、「あってはならない」(党関係者)女性問題が、所属議員に表面化。内容次第では選挙に影響が及ぶ恐れもあり、党執行部は離党届の扱いについて、難しい判断を迫られる可能性もある。

今後、執行部は田畑氏に慎重に事情を聴く意向とみられる。ただ万が一、進退問題に発展するような事態に見舞われた場合、田畑氏が登載されている比例東海ブロックで、繰り上げ当選の対象となるのは、元衆院議員の吉川赳(たける)氏(36)。二階派会長の二階俊博幹事長が先月末、無所属のまま特別会員として派閥入りを認め、党内外で波紋を広げている細野豪志衆院議員(47)と同じ静岡5区で、自民党の支部長を務めている人物だ。

もし吉川氏が繰り上げ当選するようなことになれば、静岡5区を地盤とする議員が自民党内に2人生まれるため、混乱は避けられない。細野氏は二階氏、岸田派所属の吉川氏は、岸田文雄政調会長が後ろ盾。静岡5区をめぐり、主要派閥間で主導権争いが起きる可能性もある。

離党届を提出した田畑氏は、早大卒。日本銀行などを経て12年衆院選で初当選し、現在当選3回。