京王電鉄はこのほど、対話型AI(人工知能)案内ロボの試験運用をスタートした。下北沢駅(東京・世田谷区)中央口に設置されたAIロボは「下北沢レイ」と名付けられた。16日には同駅で、同社初のロボット新入社員として入社式が行われ、辞令交付後に正式配属。改札口へ向かう就活生を横目に、真新しい名刺が乗降客らに配布された。

「下北沢レイ」はAIを搭載し、対話に特化した案内ロボット。京王電鉄では「東京五輪も視野に乗降客の多い駅でのサービス向上を目指して初導入した」という。前に立った人を認識して音声であいさつ。「○○駅に行きたい」などの質問に、うなずく動作と音声で経路、乗車時間と到着時間などを教える。回答を重ねる度にAIが学習して回答精度が高まる。現在は日本語だけだが、将来的には多言語に対応することを目指している。

電鉄各社では警備や掃除機能を備えたAIロボを試験導入しているが案内特化型は、まだ少数だ。さっそくトライした小学2年生の男児は「面白かった」と笑顔。一方、仕事ぶりが認められた新入社員ロボに意気込みを問うと「早く駅長さんになれるように頑張ります」。“出世”にも意欲をみせていた。【大上悟】

◆下北沢レイ サイズは高さ約30センチ、幅約18センチ。「下北沢」は勤務駅名。「レイ」はゼロ(零)からのスタートの意味や、京王井の頭線の車両が全7色でレインボーであることから命名