囲碁の井山裕太五冠(29)が、準決勝で世界2強の一角と目される中国の柯潔(カ・ケツ)九段(21)に敗れた。

井山五冠は前回、進出した決勝を前に、悲願の国際棋戦初Vが断たれ「世界に対する思いは、ずっと持ち続けていますし、今もそうですけど、良い戦いをしたかった。世界で、やはり結果で示すしかない。力を蓄えて、またの機会に臨みたい」と捲土(けんど)重来を誓った。

この日は、世界2強の一角と目される柯九段と真っ向勝負を演じ「中盤以降はチャンスが多い碁だったが、結果に結び付けられなかったことは残念」と首をかしげた。18年2月の第22回LG杯朝鮮日報棋王戦準決勝では勝っており、その時以来、公式戦では1年ぶりとなる対局だったが「これまでも何度も対戦していますし、特別、違う印象を感じたわけではないが、総合的に強いですし、勝負どころへの嗅覚は鋭いものを持っている」と紙一重の差だったことを強調した。

20日の決勝は、柯九段と前回の決勝で井山五冠が敗れた朴廷桓(パク・ジョンファン)九段(26)が対戦する。井山九段は両者との課題について聞かれると「まだまだ、全体的に足りないとは思う」とした。一方で18日に中国の江維傑(コウ・イケツ=27)九段に中押し勝ちした1回戦も踏まえ「この2局は全体的には、まずまず…今の自分としては、よく戦えたと思う。結果を残したかった」と手応えも口にした。【村上幸将】