4月1日に日本囲碁史上最年少の10歳0カ月30日で初段になる仲邑菫さん(10)が26日、囲碁ナショナルチームの新メンバーに育成選手として加わった。同日、都内の日本棋院東京本院で行われた、高尾紳路九段の囲碁ナショナルチーム新監督就任会見で発表された。

仲邑さんは、日本棋院が世界2強と言われる中国、韓国の後じんを拝する中、国際棋戦の優勝を目指せる棋士の養成を目的に新設した「英才特別採用推薦棋士制度」でプロとなった。同制度は、採用年齢は小学生が原則で(1)棋士2人以上の推薦(2)現役7大タイトル保持者とナショナルチームの監督、コーチ3分の2以上の賛成により審査会、常務理事会で決定された。仲邑さんは同制度でプロになったことを受けて、育成選手として囲碁ナショナルチームにも加入した形だ。

仲邑さんは、2月20日に台湾のコク・カカ七段(24)と記念対局を行い228手までで惜敗後、なりたい棋士について「世界で戦える棋士」と明確に答え、国際棋戦に意欲を見せていた。7歳から韓国のハン・ジョンジン囲碁道場で修業を積み、1月5日のプロ入り発表後、同23日に韓国・ソウルで、女流棋士で世界2強の一角と評されるチェ・ジヨン九段と記念対局を行い、180手までで敗れた。同30日にもソウル郊外の城南市で、9歳7カ月5日の世界最年少でプロ入りした韓国囲碁界の“王様”チョ・フンヒョン九段と対局し、約1時間後に投了も中国と世界の2強を争う韓国でもまれている。

囲碁ナショナルチームには育成選手として、仲邑さんのほか、同じく4月1日付で新初段となる上野梨紗さん(12)福岡航太朗さん(13)武井太心さん(17)池本遼太さん(17)が加入した。

この日は平成30年度合同表彰式も行われ、辻華さん(18)五藤眞奈さん(17)森智咲さん(16)大森らんさん(16)豊田裕仁さん(20)寺田柊汰さん(22)高尾茉莉さん(17)羽根彩夏さん(16)の各新初段も新入段者として免状を授与された。団宏明理事長は「新入段13名は平成から時代が変わる中での新しい宝。期待していただきたい」と期待した。【村上幸将】