働き方改革が注目を集める中、育児中の女性らを中心とした「在宅ワーカー」が話題だ。

システム開発会社「凜」(本社・東京都品川区)は、インターネットを活用した在宅学習でプログラマーに育成するサービスを手掛けている。約200時間のオンライン授業を受講すると、最短3カ月でSNSのようなシステムを1人で組めるようになる。IT業界の人材不足を背景に、自身のキャリアアップと子育てとの両立可能な在宅ワーカーが昨今増加し、受講者の約5割が子育て中の30代女性という。同社の柳田亜沙美社長(40)は「これまで結婚や出産を機に、キャリアを分断される女性を数多く見てきました。子育ての合間などに仕事が出来れば喜んでもらえると考えてサービスを始め、今はその反響の大きさに驚いています」と話した。

同社は08年に設立。大手企業のシステム開発を手掛けていた柳田さんが11年から「プログラマー育成サービス」を始めた。時代の流れを先読みし、テレビのニュースで特集されるなど注目度も高まり、新規受講者は15年に比べて約5倍に急増。プログラマーの育成だけでなく、全課程修了後は、短時間の在宅勤務を希望する人のための企業紹介や正社員としての就職支援などを行っている。就職率は本人事情などを除けば「ほぼ100%」で、IT業界未経験の女性でも年収300万円以上が大半という。柳田さんは「システム開発などのプログラマーというと『分からない』という恐怖心がある方が多いですが、やってみると意外と出来るもの。子育て中のフルタイムで働けない女性らと、ウェブ制作などを正社員で雇わない企業の橋渡し役になれたらと思っています」と期待感を募らせた。

また、ベンチャー企業「メリービズ」(本社・東京都中央区)が運営する企業の経理業務を代行する「バーチャル経理サービス」も好調だ。情報通信技術を用いて、育児や介護などでフルタイムの仕事が難しい女性らが在宅ワークで作業し、約500社の経理を支えている。

在宅ワークは1日から施行された働き方改革関連法で、さらに追い風となるだろう。正社員だけでなく、諸条件はあるが、短期派遣やアルバイトも残業の上限規制と年間5日以上の有給休暇の取得が義務化され、副業のニーズが高まることが予想される。新元号の「令和」が発表され、あと1カ月で平成の時代が終わろうとする今、女性の働き方が変わるのも当然の流れかもしれない。