4月1日に女性棋士としては史上3番目に年少の12歳9カ月でプロ入りした上野梨紗初段(12)が6日、都内の日本棋院東京本院で芝野虎丸七段(19)と記念対局を行い、対局開始から1時間後、102手までで投了し、敗れた。上野初段は「(自分の囲碁は)ずっと悪かった。(芝野七段は)強い…強いなぁと思った」と振り返った。

この日も、多くの報道陣が集まった中での対局となった。「緊張はなかったですけど…予想以上にカメラが多くてビックリした」と苦笑した。今後の目標については「女流タイトルを獲得できるような棋士になって、世界でも活躍できたらいいな」と、はっきりと答えた。

一方、芝野七段は対局の感想を聞かれ「何というか(相手が)自分で良いのかな? という気持ちはあったんですけど、緊張はなかった。結構、最初、何手か、ずっと攻めの姿勢で来られて大変な時間も多かったです。自分でもビックリするくらいの人の中でも、これだけ打てるのは、すごいと思う」と笑顔で感想を語った。上野初段と姉の愛咲美(あさみ)女流棋聖(17)の囲碁は似ているか? と聞かれると「普段、お姉さんの愛咲美さんと、よく打つんですけど…やっぱり、同じように攻めが厳しい印象があります」と説明。「愛咲美さんから『お手柔らかに』とか、話はなかったか?」と聞かれると「何も聞いてなかった」と苦笑した。【村上幸将】