新天皇陛下(59)が5月1日午前0時、皇太子から即位された。戦後生まれの初の天皇。前天皇陛下は4月30日に退位し、上皇となった。30年あまり続いた「平成」は終わり、「令和」の時代が幕を開けた。

5月1日午前0時、皇太子さまは新天皇陛下に即位された。新皇后となられた雅子さま(55)とともに、前天皇陛下ご夫妻から引き継いだ「国民とともに」のバトンを手に、新たな皇室像を描いていく。

新陛下は4月30日、前陛下の退位に伴う儀式出席のため、お住まいの東宮御所から新皇后とともに車で皇居に入った。沿道の人々の前を通り過ぎる際は、穏やかな笑顔で手を振った。

60年2月23日、前天皇陛下ご夫妻の長男として誕生。趣味は登山で、水の研究がライフワーク。戦後生まれ初の天皇陛下という立場で、象徴天皇のあり方を引き続き模索する。1日の「即位後朝見の儀」で、新天皇として述べる初のお言葉にも、注目が集まる。

新皇后の雅子さまは93年に新陛下と結婚。長女愛子さまをもうけた。外務省に勤めたキャリアウーマン。新世代の新皇后だが、03年12月以降、適応障害による療養生活が続いている。

ただ、この数年で公務の機会も増え、笑顔で国民とふれあう機会も増えた。昨年12月、55歳の誕生日の前に発表した文書では「国民の幸せのために力を尽くしていけるよう、研さんを積みながら務めてまいりたい」と、決意を記した。

昨年は15年ぶりに秋の園遊会の全行程に参加。文書では「少しでも皇太子殿下のお力になれますよう、国民の幸せのために力を尽くしていくことができますよう、研さんを積みながら務めたい」とも、記した。被災者と心を合わせ続けた前陛下の思いを引き継ぐ思いも、示している。

治療に当たる東宮医師団の見解では、今も「回復の途上」で、大きな行事後や行事が続くと疲れが残り、体調が優れないこともあるという。支えの1つは新陛下の存在だ。結婚会見の際には、「雅子さんのことは、僕が一生全力をかけてお守りします」と伝えられたと明かし、話題になった。

皇后として初の単独公務は、22日に都内で開かれる全国赤十字大会の予定。日本赤十字社の名誉総裁は代々皇后が務め、前皇后から継いだ重要な活動だ。皇后として、新たな1歩を踏み出す機会になりそうだ。