天皇陛下の即位を祝う令和初の一般参賀が4日、皇居・宮殿で行われ、平成への代替わり時を3万人上回る、14万人超が訪れた。

陛下は、参賀者の祝意に笑顔で手を振って応えられ、合計6回、皇后さまらと長和殿のベランダに立った。夏日手前の気温24度を超えた午後には、「暑い中、来ていただいたことに感謝いたします」と予定外の言葉を加えた。上皇さまご夫妻と同様に国民に寄り添う陛下の姿に接した参賀者からは、歓声が上がった。

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陛下は午前10時、皇后さまや皇嗣(こうし)秋篠宮ご夫妻、長女眞子さま、次女佳子さまら皇族と長和殿のベランダに立たれ、東庭を埋め尽くした参賀者の祝意に、笑顔で応えた。

お言葉が始まるとのアナウンスが流れ、参賀者が静まると、陛下は「このように皆さんからお祝いいただくことをうれしく思い、深く感謝いたします」と述べ、「わが国が諸外国と手を携えて世界の平和を求めつつ、一層の発展を遂げることを心から願っています」とあいさつした。

陛下の隣では、首もとに精巧な刺しゅうが施された鮮やかなイエローのローブモンタントに身を包んだ皇后さまも、笑顔で手を振った。紀子さまと眞子さまはクリーム色、佳子さまはピンクのお召し物だった。

一般参賀は、午後3時まで1時間おきに計6回実施。皇居には早朝から多くの人が詰めかけ、午前9時半予定だった開門は20分早まり、午前9時10分に。その時すでに、正門前には約5万人が列をつくった。

平成への代替わりの一般参賀は、昭和天皇の喪中につき、即位から1年10カ月後の90年11月18日に実施。計8回で10万9800人が足を運んだ。この日は6回で14万1130人が訪れ、「平成最初」を3万人以上、上回り、平成最多となった今年1月の一般参賀の15万4800人にも迫った。

宮内庁は当初、一般参賀を10月22日に行われる代替わりの重要儀式「即位礼正殿(せいでん)の儀」の数日後で検討したが、官邸の強い意向もあり、国民が参加しやすい連休中の開催を決めた。両陛下は8日、即位後初めての宮中祭祀(さいし)に臨まれる。