会社法違反(特別背任)などで起訴された日産の前会長カルロス・ゴーン被告(65)の弁護団の弘中惇一郎弁護士(73)は13日、都内で取材に応じた。

その中で、ゴーン被告が保釈中に住む制限住居を東京都渋谷区のマンションから港区の一軒家に変更して「居心地は良くなった」と語っていると明らかにした。

ゴーン被告が制限住居を変更する許可を東京地裁に求め、認められたことは9日、明らかになった。弘中弁護士は変更した理由について「もともと、渋谷の住居は前の弁護士の時代に探したところだと思う。渦中の人だということで、思ったような住居を貸してくれるところがなくて、たまたま提供してくれる知り合いの方がいたものですから、他の事情も目をつぶってお借りした」と、2月に辞任した大鶴基成弁護士らの時代に探したものだと明かした。

その上で「広さだとかロケーションからして、長く住むのは難しいということで、適当な住所を探したということです」と説明。一部では豪邸になったとも報じられたが、弘中弁護士は「面積まで確認していないが前より広くなっていると思います。広さ、ロケーション含め(住環境は)アップしたんじゃないでしょうか」と説明した。

ゴーン被告の感想について聞かれると、弘中弁護士は「『居住環境、居心地は良くなった』と、おっしゃっています」と述べた。

引っ越しの時期について聞かれると、弘中弁護士は「制限住居の変更の許可があった後ですから、最近です。ゴールデンウイーク中だったんじゃないですかね? よく分かりません」と答えた。

報道陣からは、ゴーン被告が10連休中の様子、何をしたかについても質問が飛んだ。弘中弁護士は「ゴールデンウイーク中はお会いしていないので、全く様子は知りません。何をしたかという話もしていません」と苦笑いした。

保釈条件の中に「3日以上の旅行をする場合には、前もって、裁判所に申し出て、許可を受けなければならない」との項目があることを受け、「(ゴーン被告は)10連休中に旅行はしたのか?」との質問も出たが、弘中弁護士は「旅行をしたという話は聞いていません。そのために許可を取ったことはないので」と答えた。【村上幸将】