将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(16)が22日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第69期大阪王将杯王将戦1次予選4組決勝で千田翔太七段(26)を下し、2次予選初進出を決めた。「相手玉の距離感がつかみづらい将棋だった」と、対局後はホッとした表情を見せた。デビュー以来、過去2期阻まれてきた1次予選の壁を突破した。

中盤、人工知能(AI)での研究の第一人者、千田の巧みな仕掛けに悩まされた。藤井が「奨励会」三段時代の16年5月、ソフトを使い始めたのも千田に勧められてから。自分の指し手をソフトに検討させ、評価値を点数化、局面の研究を重ねた。持ち前の終盤力に加え、序~中盤が洗練され、今回の対局でも生きた。

2次予選は6人による勝ち抜き戦。3枠ある挑戦者決定リーグ戦入りの切符を目指し、同リーグから陥落した佐藤天彦前名人ら3人、前期A級在籍者の羽生善治九段ら8人に、1予突破7人の計18人で競う。「リーグ入り目指して、頑張っていきたい」と語った。

藤井が年内にタイトル挑戦権獲得の可能性があるのは、王将戦と竜王戦。次局の28日は大阪市の関西将棋会館で、近藤誠也六段対梶浦宏孝四段の勝者(24日に対戦)と、竜王戦決勝トーナメント2回戦を行う。【赤塚辰浩】