世界女王2人が、山形で共演を果たした。レスリング女子で五輪3連覇の吉田沙保里さん(37)と仙台在住でサッカー女子W杯ドイツ大会で優勝した澤穂希さん(41)が27日、村山市の楯岡小学校を訪問。(株)明治が主催するイベントとして、4~6年生約300人に「特別授業」を行った。

プライベートでも親交の深い世界一コンビ、夢や諦めないことの大切さを児童に語りかけた。吉田さんは「小学校までレスリングの夢はなく、卒業文集には『レジ打ちのおばちゃんになりたい』と書いた。中学のときにテレビで見たアトランタ五輪で、小さい体で相手を豪快に投げ飛ばすヤワラちゃん(谷亮子さん)に憧れ、金メダルを取るという目標を持った。当時はレスリング女子は五輪種目ではなかったが、いつかなると信じていた」。

澤さんも「英語の先生になりたいと思っていた。私のころは女子がサッカーをやる時代ではなく、『女のくせに』と言われ、男子には負けたくないという強い気持ちが芽生えた。W杯、五輪に出場する目標を見つけて、試合に負けたり悔しい思いをしてきたが、諦めずメダルを取りたいと強い気持ちで頑張れた。大きい夢でも小さい夢でも、目標や夢を持つ大切さを知ってほしい」と強調した。

この日は山形出身のタレント橋本マナミが結婚を発表。その話を聞いた吉田さんは「残念ながら全く(結婚の)予定がないし、クリスマスの予定もない。結婚できるように頑張ります」。五輪イヤーまであと1カ月ちょっと。吉田さんは開会式のチケット抽選は外したというが、レジェンド2人の軽快なトークに、児童の目は終始、キラキラと輝いていた。【山田愛斗】