横浜市内の小学校の校長が、別の小学校に勤務する女性教諭に無理やりキスしたり、胸を触るなどの行為をしたとして、横浜市教育委員会は23日、市立新吉田小の藤城守校長(57)を停職12カ月の懲戒処分にした。同校長は同日付で依願退職した。

市教委によると、藤城校長は10月19日午後1時から2時の間に、指導法などを学び合う勉強会の名目で、市内の別の小学校に勤務する30代の女性教諭を横浜市内の喫茶店に呼び出した。その後、店を出て街中を歩く中、人けのない建物の付近で女性教諭にキスしたり、胸を触るなどした。当日は土曜日で、2人とも休日だったという。

その後、10月23日に女性教諭から市教委に相談があり、事態が発覚した。2人は過去、勉強会で知り合い、女性教諭はこの日も複数名で勉強会を行う認識で出向いたところ、藤城校長と1対1の状況になったという。

藤城校長は、市教委の聞き取りに対し「(女性教諭が)自分に好意があると思い違いをしていて(キスなどの)行為に及んでしまった」と事実関係を認めたという。その上で「本人(女性教諭)に対しても、不快な思いをさせてしまい申し訳ない。児童や保護者、地域の方にご迷惑をおかけし、申し訳なく思っています」と猛省しているという。市教委の担当者は、藤城校長について「しっかりと学校を経営していた。悪い話は聞いたことがない」と説明した。

一方、女性教諭は、警察に被害届などは提出していないといい、市教委によると藤城校長について「会いたくない」と話しているという。大きなショックを受け、精神的に不安定な状態が続いているが日々、精力的に生徒指導に当たっているという。市教委は女性教諭のサポートに、全力を尽くす構えだ。【村上幸将】