街頭募金を通じて遺児支援を行う、あしなが学生募金事務局(岡本蓮事務局長)は26日、親を亡くしたり親に障がいのある学生たちの奨学金を募るクラウドファンディング「Ashinaga Global 100 Challenge」を同日から開始すると発表した。

同事務局によると、学生募金史上初のクラウドファンディングだという。クラウドファンディングは、GoodMorningのクラウドファンディングサイト上で26日から7月31日まで行う。集まった寄付金はこれまでの街頭募金と同様、全額を一般社団法人あしなが育英会に寄付し、同会が支援する病気・災害・自死で親を亡くしたり、親に障がいがある日本国内外の学生の奨学金として利用される。

あしなが学生募金は、1970年(昭45)年から毎年の春秋に各4日間、全国で街頭募金を行い、年間約2億5000万円の寄付を集め、その全額をあしなが育英会に寄付し、病気、災害、自殺などで親を亡くした家庭の学生約6500人の奨学金として利用されてきた。その街頭募金が、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、2月26日に4月に予定していた第100回を、50年の歴史で初めて中止すると発表。その後、街頭募金は全面禁止となった。

事務局は「後輩遺児たちの『学ぶ機会』を支えることが難しくなってしまいました。そこで私たちは、50年の歴史の中で初めて、クラウドファンディングにてご寄付を募るということを決定いたしました」と趣旨を説明した。全国で活動する学生たちを代表して、10人のメンバーがファンドレイジングページを開設。今後、募金を開催する予定だった各地域のメンバーたちによるページも順次開設される予定で、各学生のページには親を亡くした子どもたちや親に障がいがある子どもたち、遺児学生など、当事者の声も掲載する。

あしなが育英会も4月17日に都内で開いた会見の中で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でアルバイトが出来なくなったり、親も仕事が出来なくなり困窮する全奨学生6500人に、生活と教育の緊急支援として15万円を給付すると発表。玉井義臣会長(85)は「第2、3次…支援金を送るつもりでいます」と奨学生に対して、追加の緊急支援を行う考えを明らかにしている。