囲碁の井山裕太棋聖(本因坊・天元=31)が、3年ぶりに名人に返り咲いた。

13日からの2日制で行われた第45期名人戦7番勝負第5局(静岡県熱海市「あたみ石亭」)で芝野虎丸名人(王座・十段=20)に白番中押し勝ち。対戦成績を4勝1敗とし、7回目の名人を獲得して4冠になると同時に、2年ぶり3回目の大三冠(棋聖・名人・本因坊)を獲得した。「これまでとやることは変わらない。芝野さんをはじめ下の世代が強力なので、自分も少しでも成長できるように」と話した。

両者は、今年の本因坊戦でも激突した。この時は井山が4勝1敗で防衛し、9連覇を達成している。

芝野は昨年この地で19歳11カ月の史上初10代名人となった。その後、王座十段と立て続けに奪った。今回は本因坊戦と立場を逆にして初防衛を目指したが、失冠して2冠に後退した。「調子が悪かった訳ではないが、うまく打たれた。タイトルを失って残念」とコメントした。