自民党の岸田文雄前政調会長(63)が21日、日本記者クラブで講演し、菅内閣の日本学術会議から推薦された任命を拒否した問題について「その説明を国民が求めている。俯瞰(ふかん)的、総合的な判断です、というだけで済ますというのも乱暴ではないか」と、政府の対応に異論を投げかけた。

また、野田聖子幹事長代行とともに出産育児一時金の拡充に向けた勉強会を立ち上げることを正式に表明した。無派閥の野田氏とは当選同期で「野田さんに限らず、党内の幅広い人材とそれ以外にも、いくつかの議員連盟を立ち上げていきたい」と意欲的に語った。

岸田氏は9月の自民党総裁選で菅義偉首相に完敗したが、来年9月の次期総裁選へ出馬の意欲を表明している。自身の派閥である宏池会(47人)の勢力拡大を含め、派閥を横断した連携強化へ動きだしている。【大上悟】