東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相(83)が28日、都内で取材に応じ、鈴木大地前スポーツ庁長官(53)が来年4月の千葉県知事選に出馬することに反対したと明らかにした。同日、自民党千葉県連会長の渡辺博道衆院議員、同県連が擁立に向けて調整していた鈴木氏と都内で立て続けに会談し、意向を伝えた。森氏が反対したことで、鈴木氏の擁立は困難な情勢になったとみられる。

千葉県知事選を巡っては現職の森田健作知事(70)が態度を明らかにしておらず、千葉市の熊谷俊人市長(42)が立候補する方針を固めている。熊谷氏は11月2日に記者会見を開く予定だ。そこに同県出身の鈴木前長官も参戦するか注目されていた。

森氏は会談の中で、自身が発足に向けて尽力してきたスポーツ庁を重視する立場を説明。鈴木氏が9月末に退任したばかりという段階で出馬し、保守分裂の可能性がある知事選に巻き込まれることを懸念した。