安倍晋三前首相の「桜を見る会」前夜祭の会費負担をめぐり、安倍氏が首相時代、事実と異なる答弁をしていた可能性が出ている問題で、共産党の田村智子参院議員は25日の参院予算委員会で「安倍総理の答弁は、まったくうそであった」と批判した。菅義偉首相に対し「(桜を見る会をめぐる問題は)菅政権において局面が変わった」と述べ、菅政権として真摯(しんし)に対応するよう求めた。

田村氏は昨年11月8日、桜を見る会に関する安倍氏の問題を最初に国会で追及した。当時を振り返る中で「最初に質問をした時、前夜祭についても触れたが、安倍総理は『(出席者の)各個人が直接ホテルに会費を払い込みをしている』と、私が聞いてもいないことを自分から答えていた」と指摘。「安倍総理の答弁は、まったくうそ。百歩譲ってもうその可能性はあった、ということは認めますね」と、菅首相に質問したが、首相は「安倍総理の行事であり、私の立場でお答えすることではない」「総理がそのような答弁をしたことは承知しているが、捜査が行われている状況で、私が軽々に答えるべきではない」とかわした。

菅首相は当時官房長官で、桜を見る会の問題について安倍氏の答弁に歩調を合わせる形で答えていた。田村氏は「安倍総理のうそをそのまま、おうむ返しで答弁していた」と、菅首相の対応も批判。菅首相は「総理に確認をしながら答弁をしていた」と述べたが、田村氏に「うそをついている相手に確認してもだめですよね」と、皮肉られる場面もあった。

田村氏は「局面の変化」を理由に、菅政権として真相究明をすべきではないかとただした。しかし菅首相は「現在は、捜査にかかわることは政府として控えるべき」と繰り返した。