コロナ禍で第37回目を迎えた流行語大賞は、新型コロナウイルス関連が本命視される中、「3密」に決定した。「密です。密です」と殺到して3密状態の報道陣に対し、注意喚起して話題となった小池百合子都知事が受賞者に選出された。小池氏は公務のため、トップ10入りした「オンライン◯◯」によるリモート会見に臨んだ。

「コロナ禍で国民のみなさまにこの言葉が強く印象づけられたと受け止めています。元もとの発信は専門家の方々でありましたが使い方にも工夫させていただいた。重症者を守る、出さない。高齢者を重症化させない。3密をさらに確認していただきたい」などと述べた。

小池氏は2005年の小泉内閣で環境相を務め、夏場のノーネクタイや、上着を着用しないキャンペーンのキャッチフレーズ「クールビズ」を一般公募から選出し、同年の流行語大賞トップ10に選ばれている。

選考委員の金田一秀穂氏(杏林大教授)は「熟さない言葉が多く、うんざりさせられていた。日本語は複数のものを1つにまとめるというのが上手。3Kとか3高とか。3密も分かりやすく伝えられ、日本語の得意技を示した」と評した。

今年は東京オリンピック(五輪)・パラリンピックが延期となり、スポーツ関連がノミネート30語に入らなかった。昨年はラグビーワールドカップ(W杯)イヤーで8強進出のジャパンから「ONE TEAM」が流行語大賞に選ばれ、「ジャッカル」、「にわかファン」、「4年に一度じゃない。一生に一度だ」、「笑わない男」のラグビーワードが、ノミネート30語に入った。