将棋の棋士を目指す最後の関門、第68回三段リーグ最終2局が6日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。

四段(プロ)への切符2枚を争う激戦は、井田明宏(24)と高田明浩(18)がともに13勝5敗で突破した。2人は4月1日付で四段としてデビューする。 リーグ終了後、井田は記者会見に応じた。京都市出身。小林健二九段門下だ。

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-今の気持ちを聞かせてください

井田 まだ実感は湧かない。最終局の前は11勝5敗で2番手(トップは12勝4敗)だった。昇段を意識しないで自分の将棋に集中して指そうと思っていました。

-結果は連勝

井田 1局目は秒読みの厳しい将棋でした。2局目は中盤にリードしてから慎重に指しました。

-奨励会を振り返って

井田 三段リーグではいいところまでいって昇段できない時期があり、つらかった。

-今期突破できた要因は?

井田 今までは昇段を意識しすぎて、負けるとズルズルと後退していった。今回は負けても気持ちを切り替えて臨んだ。

-昇段の報告は誰に?

井田 まずは師匠に。「安心した」と言われました。次に家族。昇段すると思っておらず、驚いていました。

-記録係をよくしていたと思いますが、印象に残った対局は

井田 昨年7月の棋聖戦で藤井聡太七段(当時)が初めてタイトルを獲得した大阪での対局です。自分が指していると思って記録を取っていました。自分も早くその場に行きたいと改めて思いました。

-その藤井さんは今、2冠

井田 まず対局できるところまで勝ち上がるのが目標です。

-自分の将棋のセールスポイントは

井田 終盤の逆転が多いので、何が起きるのか分からない将棋を指していきたいです。