ボートレーサーが持続化給付金を不適切に受給した問題について、日本モーターボート競走会と日本モーターボート選手会は28日、都内で会見を開き、不適切受給に関わった選手は最長4カ月間の出場停止処分にすると発表した。

両会は3月31日~4月12日まで、受給者を対象に申請理由や受給金額、返還有無、税理士への相談等について聴取及び精査を実施。受給者数は当初の発表から4人増えて215人、受給総額は2億1473万円。そのうち、27日までに127人が全額返還し、残る88人も返還手続きを行った。内訳は男子200人、女子15人。級別(ボートレーサーのランク)では、もっともランクの高いA1級が43人、次いでA2級が39人、B1級は110人、B2級は23人だった。年代別では20代46人、30代94人、40代50人、50代23人、60代2人だった。

処分は、褒賞懲戒規程11条5号「選手としての対面を汚し又は著しく風紀を乱したとき」に該当するとして、出場停止4カ月間が11人、同3カ月間が13人、同2カ月間が19人、同1カ月間が24人、戒告148人となった。申請理由を「フライングまたは出遅れによる」理由とした選手は、本来ペナルティーを受ける身であるのに不道徳として重い処分となった。

日本モーターボート競走会の潮田政明会長は「選手の持続化給付金制度の趣旨、目的への理解不足が理由であったことが要因とはいえ、不正につながりかねない行為であり、競走の公正、健全な運営を脅かすものと考えます。多くの方々の信頼を裏切ることになり、心より深くおわび申し上げます」と頭を下げた。今後は全選手への指導強化など、再発防止策の徹底に取り組む。