1月の埼玉県戸田市議選で初当選後、3カ月以上の定住条件を満たしていないとして、市選管に当選無効とされたスーパークレイジー君議員(34=本名・西本誠)が14日、当選無効の決定を支持した県選管に裁決の取り消しを求めて、東京高裁に提訴した。

提訴後に会見を開いた同議員は「今日からは司法の場で争う。応援してくれる方のために1日でも早く決着をつけたい」と話した。代理人の加藤博太郎弁護士(35)は「厳しい裁判が予想されている。ただ戸田市議会議員として活動していきたいという思いを受け止めて、弁護側としても裁判で訴えかけていきたい」と語った。

また、公選法の3カ月以上住所がある者に限定するなどの住所要件は、人材の選出を妨げ、被選挙権を侵害し違憲と主張。加藤弁護士は「クレイジー君は活動的に日本を回っている。そういった方々であっても地方選挙を目指していける試金石となるような裁判にしたい」と強調した。

県選管は「訴状が届いていないため現時点ではコメントができない」と述べた。同議員が都内から住民票を移したアパートの賃貸契約が本人名義でなかったり、生活を実証する領収書などが少ないことなどを理由として、裁決を行った。【沢田直人】