第4回呉清源杯世界女子囲碁選手権1回戦が18日、行われた。コロナ禍で各国間の移動制限が生じているため、昨年同様インターネット対局での開催。日本勢は東京・市ケ谷の日本棋院に集結した。

中でも注目されたのは、最年少プロ、仲邑菫二段(12)。3年前のこの棋戦の優勝者、金彩瑛(キム・チェヨン)六段(韓国=25)を下す「大金星」で、国際棋戦の初勝利を飾った。

パソコンの画面に向かった白番(後手)の仲邑は、無欲でぶつかっていった。終盤まで互角に打ち合う展開から抜け出した。「まさか勝てると思っていなかったので、うれしいです。途中で(相手に)ちゃんと打たれていたら負けていました」と振り返った。

この日の対局で公式戦100局目。通算68勝32敗とした。今年は30勝8敗。最多勝も視野に入る。「ちょっと狙いたいです」。笑顔を見せた。

2回戦では前回優勝の周泓余六段(中国)と対戦する。「強い人といい勝負ができたらと思います」と、気を引き締めていた。

このほかの日本勢では、上野愛咲美四段(19)が盧■(■は金ヘンに玉)樺三段(中華台北)に逆転勝ち。「最後に形勢がいいと思いました」と笑顔を見せた。

鈴木歩七段(37)は豊雲九段(北米)に白番中押し勝ちした。「中盤以降うまく打てた」と話した。一方、謝依旻六段(31)は陸敏全六段(中国)と二転三転の激戦の末に敗れた。

このほか、方若曦四段(中国)が殷明明初段(北米)、呉侑珍七段(韓国)がナタリア・コバレワアマ五段(ロシア)、■(■は十の下に日を二つ縦に並べ、十の縦棒が一つ目の日を貫く)承亜三段(韓国)が黒嘉嘉七段(中華台北)、李〓(森の木をそれぞれ金)怡三段(中国)がマヌエラ・マルツアマ三段(ドイツ)をそれぞれ下した。

19日に行われる2回戦の組み合わせは、仲邑対周のほか、上野対於之瑩六段(中国、前回準優勝)、鈴木対王晨星五段(中国)、1回戦シードの藤沢里菜五段対李、崔精九段(韓国)対陸、唐嘉〓(雨カンムリに文の旧字体)四段(中国)対■(■は十の下に日を二つ縦に並べ、十の縦棒が一つ目の日を貫く)、李赫五段(中国)対呉、〓(草カンムリに内)廼偉九段(中国)対方。

呉清源杯は日本4、中国9、韓国4、中華台北1、北米2、欧州2の22人が各地区代表として参加するほか、推薦出場の「ワイルドカード枠」として仲邑と黒嘉嘉が選ばれた。計24人による勝ち抜き戦で20日に準々決勝を行い、準決勝と決勝の日程は後日改めて発表される。【赤塚辰浩】