花咲徳栄野球部主将として夏の甲子園を制覇しながら、その後、進学先の駒沢大を中退し、窃盗や強盗致傷事件を起こした千丸剛(ちまる・つよし)被告(22)の控訴審の判決公判が20日、東京高裁で開かれ、平木正洋裁判長は控訴を棄却した。

弁護側は懲役5年を言い渡した1審千葉地裁判決には事実誤認、量刑不当があり、「(懲役5年は)重きに失し、不当」として控訴していた。

平木裁判長は共謀共同正犯が成立するとした1審判決について「遅くとも(ナンバープレート)窃盗の実行時には共謀共同正犯成立が認められる。原判決の結論に誤りはない」と指摘。500万円の被害弁償をしていることなど、量刑の判断についても「有利な事情として考慮している」と弁護側の主張を退けた。

都心はこの日、34度の真夏日。紺のスーツにネクタイを締めた千丸被告は、平木裁判長から「不服があれば14日間以内に上告を申し立てることができます」と告げられると、何回もうなずいていた。