トランプ前大統領が15日に発表した声明で、アフガニスタンからの米軍撤退を巡る現状を批判し、バイデン大統領の辞任を要求した。

反政府勢力タリバンが今月に入ってアフガニスタンの主要都市を次々に掌握し、15日には首都カブールに侵攻して全域の支配に乗り出していた。この状況を受けてSNSのアカウントを永久凍結されているトランプ氏は、自身の報道官のアカウントを通じてツイッターに声明文を連投。「新型コロナウイルスのとんでもない感染拡大、国境の大惨事、エネルギー自給の破壊、無能力な経済と共にアフガニスタンで起こっていることを許した不名誉の責任を取って辞める時がきた」とバイデン大統領の責任を追及した。さらに「そもそも合法的に大統領に選出されていないので、それは(辞任は)大したことではないはずだ」と現役時代さながらにトランプ節をさく裂させた。

翌16日にも連続で声明を投稿し、「民間人を退避させる前に米軍を撤収させるなんて、こんな無能を信じられるか?最高性能の武器も残したままに」とバイデン大統領はタリバンに降伏したとして再び批判を展開。「選挙に不正がなく、自分が今も大統領だったらこんなことは起きていなかった」「アフガニスタンは米国史上もっとも恥ずかしい軍事的成果」など、現役時代のツイッター連投をほうふつさせる勢いでバイデン大統領を糾弾している。

トランプ氏は在任中にアフガニスタン駐留米軍の撤退を決め、昨年2月に5月1日を撤退期限とすることでタリバンと合意していたが、バイデン政権は撤退期限を延期して4月に米同時多発テロから20周年となる9月11日までに完全撤退する方針を示していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)