「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」の2回戦第2局が11日、都内のABEMAスタジオで行われた。渡辺明名人(棋王・王将=37)が木村一基九段(48)に99手で勝利し、準決勝進出を決めた。渡辺は「途中から木村さんの得意な展開になってまずいと思ったが、最後は寄せがうまくいった」と振り返った。

2年ぶりの4回目優勝を目指し、次戦10月16日の大阪大会で、前年覇者の豊島将之竜王(叡王=31)と対戦する。「昨年も準決勝で豊島さんに当たって負けているので、雪辱ができるよう1カ月間準備したい」と意気込みを話した。

今回の対局は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、熊本大会の開催を取りやめ、ABEMAでの生中継や大会ホームページで棋譜中継を行った。2回戦第3局、第4局が行われる静岡大会、四国大会も開催中止が決定している。

同大会は今年で42回目。前回優勝者と日本将棋連盟公式戦タイトルホルダー、及び昨年賞金ランキング上位の棋士12人が出場。対局は、持ち時間各10分、使い切ったら1手30秒未満、考慮時間は1分×5回と、早指しで行われている。