缶入り洋生菓子として、インターネット販売されていた「生クリームは飲み物」について、保健所から「飲料ではないか」と指摘を受けた販売元のエム・ジー・ケイ(東京都新宿区)が、購入者に返金を進めていることが22日、分かった。

商品は缶の中に粘度の高い生クリームが入っている。同社の山崎将史代表取締役によると、6日に販売を始め、予約の電話が相次ぎ一時1030セットが売れた。15日に保健所から「社会通念上と製品の形状からして飲み物ではないか」と指摘を受けた。乳飲料として通信販売する場合は、殺菌などができる専用の設備を持つなどの別の営業許可が必要となる。

通信販売再開の見通しは立っていない。「飲むヨーグルト」を製造している業者など、約50社に製造工程を依頼したが、粘度が高い生クリームは排水管が詰まるなどの理由から全ての会社に断られた。乳製品の比率を下げ、ストローではなくスプーンを付けて、咀嚼(そしゃく)する形ならば、洋生菓子として販売する手があったというが「生クリームを飲むとコンセプトから外れる」として、通信販売を取りやめている。山崎さんは「代表の私が無知でした。指摘は真摯(しんし)に受け止める」と話し、返金作業を進めている。健康上には問題がなく、商品名を「生ホイップは飲み物」と改め、10月14日にオープンするJR大宮駅構内では対面販売を行う。【沢田直人】