「将棋日本シリーズJTプロ公式戦(JT杯)」の2回戦、藤井聡太3冠(王位・叡王・棋聖=19)対千田翔太七段(27)戦が25日、都内で行われた。対局は先手の藤井が113手で勝ち、JT杯初の4強入りを果たした。11月3日、名古屋市で行われる予定の準決勝では永瀬拓矢王座(29)と対戦する。

タイトルホルダーの藤井は1回戦シードのため、ここから登場。1回戦で羽生善治九段(50)を破って進出してきた千田を相手に、相掛かりの出だしから小刻みに攻め続けてリードを広げ、押し切った。終局後、「攻めが細いところもありましたが、最後はうまくつながる形になったと思います」と振り返った。

対する千田は、「玉を上部に逃げ出す狙いが実現せず、かえって中途半端になってしまた」と話した。

この公式戦は前年度のJT杯覇者である豊島将之竜王(31)以下、今年2月28日時点での8大タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・叡王・王将・棋聖)の保持者、20年の賞金ランキング上位者の計12人による勝ち抜き戦。コロナ禍で実現できていない場所もあるが、本来なら地方を転戦してトップ棋士同士の対戦をすべて公開対局で行う。

もう一方の準決勝は10月16日、大阪市(予定)で豊島竜王と渡辺明名人(37)が対戦する。決勝は11月21日、千葉市「幕張メッセ」の予定。優勝賞金500万円、準優勝150万円。