米カリフォルニア州で7日、性行為中に相手の口頭による同意なくコンドームを外す「ステルシング」を禁じる法案が成立した。

新法では同意なくコンドームを外して性器を接触させる行為は性的暴行と認定され、これによって被害者は損害賠償を求めて加害者を訴えることが可能となった。望まない妊娠や性感染症のリスクを伴うステルシングが、法律で明確に禁止されたのは全米で初めてとなる。女性だけでなく同性愛者の男性の間でもステルシングの被害に遭うケースが増えていることが以前から指摘されていた。

法案を起草した州議会下院のクリスティーナ・ガルシア議員は、被害者に長期的に及ぶ身体的・精神的な害を与えるものであることを確認する内容だと述べており、2017年のイエール大学の研究でも「性的合意に対する卑劣な違反」だと指摘されていた。

また、これとは別にカリフォルニア州のニューサム知事は、配偶者によるレイプを例外として扱わずに非配偶者のレイプと同等に扱い、処罰する法案にも署名して法案を成立させた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)