米連邦捜査局(FBI)は20日、全米が注目していたワイオミング州で遺体で発見された旅系インフルエンサーの殺害事件に関与しているとして重要参考人として行方を追っていた婚約者と思われる男性の遺体と所持品を発見したと発表した。

米フロリダ州サラソタ郡にある自然保護区で見つかった遺体のようなものとリュックサックやノートなどの所持品は、一緒に車で全米横断の旅をしていた最中に行方が分からなくなり、後に遺体で発見されたギャビー・ペティートさんの婚約者で、事件発覚後に行方が分からなくなっていたブライアン・ランドリーさんのものであることが判明したという。

2人は7月にニューヨーク州を出発し、旅の様子をSNSで発信しながら西海岸のオレゴン州を目指してバンライフを楽しんでいたが、8月末にペティートさんが母親と電話で話したのを最後に行方不明になっていた。ランドリーさんは9月1日に単身でフロリダ州の実家に帰ってきたが、捜査への協力を拒否。その後、家族に保護区にハイキングに出かけると告げたまま行方が分からなくなっていた。ランドリーさんには、ペティートさんのクレジットカードを不正使用した疑いで逮捕状が出ていたが、殺害に直接関与したかどうかは公式には示されていなかった。一方、ペティートさんはブライアンさんから家庭内暴力(DV)を受けていた可能性も指摘されるなど、行方不明となって以降連日メディアをにぎわせていた。

先月14日にはランドリーさんが所有する車が置き去りにされているのが発見され、捜査当局は警察犬やドローンなども投入して大規模な捜索を行っていたが、手掛かりが見つけられずにいた。報道によると、発見されたのは最近まで水に漬かっていた場所で、この日の捜索活動に加わっていたランドリーさんの家族がそのあたりにいる可能性を警察に伝えていたという。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)