年末の風物詩「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」の表彰式が1日、都内で行われ、トップ10に「人流」が選出された。

【2021流行語大賞】年間大賞はリアル二刀流/ショータイム/まとめ>

登壇したのは2000年初期から、すでに人流という言葉を使用して、観光に活用していた人流・観光研究所所長で観光学博士の寺前秀一氏だ。寺前氏は「人は移動する、移動しないということを、地理的に時間的に広がりを持つ概念に『人流』という言葉を使っていました。受賞を機会に、世界的に人流の概念が共有されるよう頑張っていきたい」と意気込んだ。

コロナ禍で頻繁に使われるようになった言葉で、「人の流れが減少」など人出の意味合いで使われた。「人流=主要繁華街での滞留人口」として、「ある場所、時間帯における人出の様子や規模」をひと言で表せる語として重宝された。

選考理由は以下の通り。

「3密」「ソーシャルディスタンス」「夜の街」に続く、今年の感染予防にまつわるキーワードが「人流」だ。人の生活をデータとしか見ていない気持ちの悪さはあるものの、強制出来ない日本での和製ロックダウンの造語としては苦心の作ではあったのだろう。3度目の緊急事態宣言の発令で国民に人流抑制、酒類の提供禁止が求められる一方で、中止に追い込まれたものの五輪パブリックビューイングの準備が進められ、札幌ではマラソンのテスト大会が開催された。オリンピックのための緊急事態宣言であることは、もはや明白。開催中止を求める声が徐々に高まった。7月、8月には新規感染者数最大となった第5波が到来したが、パラリンピックが開幕した後には徐々に減少していった。日程と感染者数拡大のグラフは重なっているが、人流抑制の効果のほどはどうだったのか、専門的分析が待たれる。