将棋のプロ棋士による初の東西対抗団体戦、「SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2021」(準公式戦)が26日、都内で始まった。日本将棋連盟の所属棋士が東軍(東京本部所属)と西軍(関西本部所属)に分かれ、選ばれた各5人が初手から1手30秒で戦う。第3局を終えて、西軍が3連勝して早々と優勝を決めた。

第1局で後手の澤田真吾七段(30)が終始攻め続けて戸辺誠七段(35)を118手で下したのに続き、第2局は豊島将之九段(31)が横山泰明七段(41)に129手で勝利。第3局も永瀬拓矢王座(29)に古賀悠聖四段(20)が124手で逆転勝ちした。

豊島は24日に竜王戦1組ランキング戦で渡辺明名人(棋王・王将=37)と対戦し、指し直し局の末に深夜2時57分終局という激闘を演じたばかり。「横歩取りのスペシャリストの横山さんとの対戦が昨日決まって、研究しようと思いましたが、眠気に勝てませんでした」。対する横山は「戦ってみると少しずつ苦しくしてしまった。駒が下がりだして、矢倉の戦い方がうまくないと思いました」と残念がった。

第3局で大金星を挙げた古賀は、「序盤から中盤苦しかったが、粘り強く指せた。気が付いたら局面が勝ちになっていました」と振り返る。敗れた永瀬は「ファン投票(東2位)は望外でした。中盤からの指し方が良くなかった。30秒将棋に問題があった」と苦笑いしていた。

第4局は藤井聡太竜王(19)対佐藤秀司八段(54)、第5局は羽生善治九段(54)対稲葉陽八段(33、いずれも前が先手)。

東軍は羽生、永瀬、佐藤、横山、戸辺。西軍は藤井、豊島、稲葉、澤田、古賀。先に3勝した方が優勝。