人気野球漫画「ドカベン」「あぶさん」などを描いた漫画家で10日に82歳で亡くなった水島新司さんへの追悼の気持ちを込めた“ドカベン弁当”が販売されることが18日、決まった。「ドカベン」とはドカッと盛られた巨大な弁当。都内にあるデカ盛り弁当で有名な「キッチンDIVE(ダイブ)」が、「ドカベン」主人公の山田太郎の定番弁当だった日の丸弁当にちなみ、白米3キロの超大盛り日の丸弁当を21日に発売する。

東京の亀戸、御徒町、水道橋3店を営む店主の伊藤慶さん(40)は「うちは1キロ弁当などドカ弁(ドカ盛り弁当)が売り。水島新司さんを追悼するために、山田太郎が食べていたような3キロの日の丸弁当を作ります」と決意。「自分もドカベン、あぶさんの水島作品は、ドラゴンボールや、はじめの一歩と並ぶ青春の1ページ」。単行本は持っていないが、漫画喫茶やスーパー銭湯で熟読したと言う。「高校生くらいの時がプロ野球編だった。(西武の)松坂大輔がソフトバンクに入った岩鬼と対戦する場面とかはすごかった。多感な時間をともにした漫画です」と思い入れも強い。

同店は創業当初は200円弁当からスタートしたが、減少した弁当客を呼び込むため「1キロ弁当」「1キロおにぎり」などで“逆転ホームラン”を放って人気店となった。同店のツイッターには「岩鬼みたいなサンマ1本が入った弁当はあり?」などの声も。30代の常連客は「僕はいつもドカ弁食べているから、体形だけは山田太郎になってきた」と笑った。【鎌田直秀】