将棋の藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が、30日、栃木県大田原市「ホテル花月」で行われた第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第3局で、渡辺明王将(名人・棋王=37)を下した。これで3連勝として、タイトル奪取と史上最年少での5冠獲得まであと1勝とした。

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29日午前9時からの2日制で始まった対局は、相掛かりの出だしから初日こそ61手進んだが、すでに戦いは始まった状態だった。30日午前9時から再開されると、午後0時30分の昼食休憩までわずか8手とペースが落ちた。午後1時30分の再開後、おやつが出される午後3時までもたった5手と、両者が長考を繰り返して膠着(こうちゃく)状態に陥った。終盤までもつれ合う展開から抜け出した藤井が、渡辺玉を攻略した。

かど番の渡辺がしのぐか。藤井が一気に決めるか。第4局は2月11、12日、東京都立川市「SORANO HOTEL」で行われる。

◆将棋界の5冠と最初の達成時年齢 過去3人。第1号は故大山康晴十五世名人。1963年(昭38)2月2日、39歳10カ月で達成した。獲得タイトルは名人・十段・王位・王将・棋聖。次いで中原誠十六世名人(引退)が78年2月6日、30歳5カ月で同じタイトルを獲得。93年8月18日に羽生善治九段が史上最年少の22歳10カ月で達成。この時は竜王・王位・王座・棋王・棋聖を保持した。