ロシアとウクライナは7日、ベラルーシで3回目の停戦交渉を開いた。

一方、トルコのチャブシオール外相は7日、ロシアのラブロフ外相とウクライナのクレバ外相と共にトルコ南部アンタルヤで10日に会談すると発表した。侵攻開始以来、ロシアとウクライナの閣僚会合は初めて。両国は攻撃下の市民を退避させる「人道回廊」の設置で3日に合意したが、回廊周辺の一時停戦に至らず実現していない。

ウクライナ原子力規制監督局は6日、東部ハリコフで核物質を扱う「物理技術研究所」がロシア軍の砲撃を受け、複数の施設が損壊したと発表し、「新たな核テロ」だとロシアを非難した。周辺の放射線量は正常という。ロシアは2月24日の侵攻直後に北部のチェルノブイリ原発、3月4日に一部運転中だった南部ザポロジエ原発を制圧し、世界を震撼(しんかん)させた。ウクライナ側は、国内4原発のうち南ウクライナ原発も狙われるのではと懸念。核関連施設への相次ぐ攻撃は、ロシアが一方的に主張する「ウクライナ核武装の可能性」の証拠を捏造(ねつぞう)するためではとの見方も出ている。

ハリコフではロシア軍による激しい攻撃が続いている。同監督局によると、同研究所の変電設備が全壊し、新たな核燃料が装てんされて始動段階に入っていた「中性子源センター」の施設が損傷した。同研究所にはソ連時代に製造された核物質が搬入、保管されている。

ロシアのプーチン大統領はフランスのマクロン大統領との電話会談で、ザポロジエ原発への砲撃について、ウクライナの過激派の仕業だと主張したという。

米国防総省高官は、ロシア軍が国境に集めた戦力の約95%を侵攻に投入し、発射したミサイルは約600発に上ると分析している。