早く日本に行きたい-。そんな思いを胸に戦火の地に立つウクライナ人兵士イゴールさん(21)から、日本で雇用予定だった建設会社「サンユー」(宮城県石巻市)佐々木清志社長(60)へ、現地での日々の写真がSNSを通じて届いた。侵攻当初に展開していた首都キーウ周辺から東部のハリコフに移動。自動小銃を持ちネコを抱く姿や、爆撃を受けたと思われる街の様子の写真だった。佐々木さんは9日「彼は、少しでも早く戦争が終わり、日本に来ることを望んでいる。ホテル従業員として仕事をしたり、得意のパンづくりだったり。今は少なくともロシア兵と生死を懸けて戦っていると思うと複雑です」。生存の知らせに安心する一方、戦争が続き来日できない状況に、一刻も早い停戦を願った。

サンユーは宮城県大崎市の鳴子温泉郷で温泉施設「農民の家」の開業準備を進めており、今年1月にイゴールさんらウクライナ人10人の雇用を内定していた。コロナ禍の影響で開業が遅れ、内定者が来日を延期する中での侵攻だった。佐々木さんは、内定者らの日本への避難に向けて尽力中。プロボクサーも夢見るイゴールさんからのメッセージは、活力の源の1つだ。【鎌田直秀】