1000本近い樹木の伐採が伴う東京・明治神宮外苑の再開発計画を巡り、都議会に樹木や環境を守るよう陳情を提出した、建築ジャーナル編集長の西川直子氏が都庁で記者会見を開き「樹齢100年の木を切って、ひょろひょろの木を何本植えても代替することはできない」と訴えた。

陳情者代表の西川氏は「外苑の歴史的景観と環境の保全」を求める約4000人分の陳情を都議会に提出。都議会の都市整備委員会に受理はされたが、賛成少数で不採択となったことを説明した。小池百合子知事が27日の定例会見で「事業者の計画では新たな植樹を含めて、樹木全体の本数を現在の約1900本から約2000本へと増やす計画となっている」と述べていた。このことを受け西川氏は「樹木は本数ではない。樹冠被覆率(茂っている枝葉部分の面積の割合)が大切だ」と強調した。

また、小池氏は事業者に対して、都民の参画と共感を得られるように詳細な情報発信をするように要請していた。西川氏は会見後に「小池さんと私たちの言っている趣旨はほとんど同じ」とした上で、都に対して「事業者と専門家、そして私たち都民が1つの場で協議できる場を設けてほしい」と話した。