ベスト8の壁は厚かった。サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会・決勝トーナメント1回戦・日本対クロアチアのパブリックビューイング(PV)が東京タワー横のスタジオ「スターライズタワー」で開催され、410人が集結し日本代表に声援を送った。

前半40分、MF伊東純也(29=スタッド・ランス)がドリブルで左サイドを抜け出し、最後はMF鎌田大地(26=Eフランクフルト)が枠をとらえられなかったが、シュートで終わったプレーに大きな拍手がわき上がった。直後、会場はニッポンコールの大合唱で、盛り上がった。その熱い応援がカタールに届いたのか、前半43分にFW前田大然(25=セルティック)の先制ゴールが飛びだすと、会場のボルテージは最高潮となった。

後半に失点して追いつかれたが、会場の熱気は冷めることなく、選手のプレーに手拍子と声援は止まらなかった。延長突入も両軍スコアレス。決着はPK戦にまでもつれたが、序盤から連続で外した日本は、敗れてしまった。外して膝をつくMF三笘薫(25=ブライトン)の姿に涙を浮かべるサポーターもいたが、120分を戦った選手らに会場からは惜しみない拍手が送られた。

会場には、日本代表選手のものまねをして応援する、お笑い芸人を中心とした「#ちょいまねジャパン」メンバーも駆け付けた。

リーダーでDF酒井宏樹(32=浦和)担当のさっかー井宏樹ことクロワッサン。(40)、GK権田修一(33=清水)をまねる権田月一こと漫才56号堀江俊介(30)、MF伊東のものまね芸人は2人で、似東純也ことポップライン萩原拓也(39)、伊東不純也こと九州男子“下地孝明(32)が並んだ。

MF守田英正(27=スポルティング)も2人で、御守田英正ことやったーくん(34)と守田英ま~さこと動画エディター高野雄太さん(34)。MF南野拓実(27=モナコ)は似ない野拓実こと九州男子“水永優成(31)、MF三笘は似笘薫ことさくらだモンスター・しょっぴー(31)、FW浅野拓磨(28=ボーフム)は浅野拓磨呂ことオオシロ大魔神(31)、FW前田大然のそっくりさんの前田大自然はタクシー運転手の藤本亮さん(36=元芸人)が務めている。

「ブラボー」を連呼しチームを引っ張るDF長友佑都(35=東京)はムッチーブラボーことスタジアムDJのムッチー鈴木(年齢非公開)、DF板倉滉(25=ボルシアMG)には板倉最滉だったがクロアチア戦を出場停止になったため急きょMF相馬勇紀(25=名古屋)に扮した相馬言う気?となった、く~ぽんのフルカウント千葉(35)、体調不良でクロアチア戦から外れたMF久保建英には久保まちょふさこと銀魚の渡邊雄太(26)がそれぞれの背番号のユニホームを着用し、声を枯らして声援を送った。

そして新メンバーとしてスペイン戦の決勝点を挙げたMF田中碧(24=デュッセルドルフ)になりきった田中赫(あか)こと埼玉テレビの浦和レッズ応援番組のディレクター梅木アレクサンダー信哉ヨハンさん(25)が“初招集”された。

解説者として大人気の元日本代表本田圭佑さん(36)をまねたリトル本田こと石井ミカン(30)も加わった。

PV開始直前にDF吉田麻也(34=シャルケ)を模した吉田ま~ゆことお面モノマネ芸人HEY!たくちゃん(41)が間に合って、総勢16人の大所帯で拳を振り上げた。

しかし、相変わらず指揮官・森保一監督(54)の担当者が見つからない。クロワッサン。は「森保監督、募集中!」のプラカードを会場内に向けて猛アピール。観戦する人の中から本気で見つけようと「似合うと思うなぁ、ピッチの上の森保監督に」などと声をかけ、精力的にスカウト活動をしていた。

日本代表が敗れ、泣き崩れる選手らと一人一人、握手する森保監督の姿にさらに拍手。スタンドに向かって頭を下げるイレブンの映像にも拍手、最後に森保監督の挨拶にも温かな拍手が鳴りやまなかった。4試合、本気で日本代表を演じたメンバーは「今までになかった景色ですよ、これ。僕らはまた、この舞台に帰ってきます。4年後のべスト8まで」と、誰もいなくなった会場で再結成を誓って肩をたたき合っていた。【寺沢卓】

【W杯】森保ジャパン史上初8強ならず クロアチアにPK戦で敗れる/ライブ詳細