岸田文雄首相の国会での答弁について27日の衆院予算委員会で、これまでの「代名詞」でもあった「検討」が「説明」の多用に変わったとして、野党が「説明という単語に逃げないでほしい」と注文をつけるひと幕があった。

立憲民主党の山岸一生衆院議員は、「検討」の多用から「検討(遣唐)使」とやゆされてきた首相が、最近は「説明」を口にする場面が増えたと指摘。その上で「一切、中身のある説明がない」と皮肉った。

首相は「説明という単語に逃げないで」の指摘を念頭に「説明という言葉を使わないで、説明しろということか」と苦笑いしつつ「より中身のある答弁をしろということかと思う。最大限聞いていただけるよう努力する」と応じた。

一方、山岸氏は、首相の子ども関連予算をめぐる「倍増」発言で、側近の木原誠二官房副長官の発言が問題視され、同性婚をめぐる「社会が変わってしまう」発言では、差別発言で元首相秘書官が更迭される事態になったことを念頭に「自分の説明がしっかりしていないから、周りが取り繕おうとして騒動になってしまっている。総理の認識が定まっていないから混乱をもたらしている反省はあるか」と、首相をただした。

これに対し、首相は「私自身の説明が足りていないと申されたが、子ども・子育て政策は通常国会冒頭から3月末までにたたき台をつくり、6月の骨太方針にむけて予算倍増への大枠を示したいと一貫して説明している」と反論。「そのスケジュール感に立てば、今の時点で個別の政策はどうかと言われても、しっかりと中身を具体化してまいりますとしか申し上げることはできない」「今の時点では当然のことを申し上げていると思っている」と、持論を述べるにとどまった。