自民党の丸川珠代元五輪相は1日の参院予算委員会で、民主党政権時の2010年、所得制限なしの「子ども手当」導入を決めた委員会採決時の混乱を念頭に、岸田文雄首相が1月の衆院予算委員会で「反省すべきは反省しなければならない」と答えたことについて、「私もまったくそのとおりでございます」と述べ、反省の念を示した。

当時、野党自民党の1年生議員だった丸川氏は、採決の際に、委員長席近くで「愚か者めが」「このくだらん選択をしたばか者どもを絶対に許しません」と叫んだ。当時、厚労相だった立憲民主党の長妻昭政調会長が1月31日の衆院予算委で「罵詈(ばり)雑言をかけられた」と首相に反省を求め、首相が「反省」を示していた。

一方、丸川氏はこの日、反省するのは言動であって、自民党の政策ではないとの認識を強く主張。「自民党の過去の少子化対策について反省すべきものであるとか、失われた10年という(指摘をされる)ことは当たらないと思う」と、野党の指摘を念頭に反論した。

当時民主党政権に反対した経緯を「経済や社会の情勢を踏まえて議論を尽くした上で反対した。所得制限のない現金給付より、経済成長によるGDP回復、待機児童解消と女性の就業率向上を目指す方が政策効果が高いという判断だった」と説明。その上で、その後、民主党から政権を奪還した第2次安倍政権で進めた対策が「見事に功を奏した」と胸を張った。

認識を問われた岸田首相も「当時の政策判断について反省すべき点があったという趣旨で申し上げたのではない」と応じた。その上で「反省すべきは反省しなければならないというのは、議論を行う際の言動は節度をわきまえたものでなければならないということを、申し上げた」とも答弁。委員会採決時の「愚か者めが」などの発言については「反省すべきは反省」との認識をあらためて示した。