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天賦の才能と飽くなき「探究心」で全8冠制覇の歴史的快挙を成し遂げた藤井聡太8冠。少年時代は、どのような環境で育ったのか。幼少期の「育ち方」がベースとなり、将棋界のトップに登り詰めた。
木登りが得意だった少年は、家族、師匠、恩師に支えられ、すくすくと育った。
「好きなことはトコトン」
これは母裕子さんの言葉だ。好きなことを自由にやりたいだけやらせる-。言葉で言うのは簡単だが、実際に親として「実践」するのは勇気がいる。パズル、迷路などの遊びでも、将棋でも、何かに集中しているときには、できるだけ邪魔をしないように見守っていたという。考える力を養う、溝や穴がある立方体を積み木のように重ね、ビー玉が通る道を作るスイス製の立体パズル玩具「キュボロ」を与えられると、何時間も熱中した。
将棋では未知の局面で導き出す力を問われることが多い。裕子さんは幼少時代から「『こうなってほしい』ではなく、『自分でこうやったらいい』と思うようになってくれたらな」と願い、絵本を読み聞かせ、たくさん話し掛けた。
小学4年で杉本師匠に弟子入りした藤井は才能が突き抜けていた。師匠が肝に銘じたことがあった。「プロのセオリーであったり、こういう指し方のほうが勝率が高い、そんな教え方をしないほうがいい。自分で考えて結論を出す棋士になってほしかった」。
藤井が幼稚園から通った「ふみもと子供将棋教室」では詰め将棋と出会った。裕子さんによると、幼稚園児のとき、難解な詰め将棋に挑んだ際には、「考えすぎて頭が割れそう」と口にした。1つのことを一生懸命に考え続ける。考えて、考え抜く習慣を身に付けた。文本力雄塾長は「将棋に負けて泣いた数ではギネスブック級です」。教室では無類の負けず嫌いだった藤井少年の「泣いた記録」は破られていないという。【松浦隆司】
【まとめ】祝!藤井聡太8冠誕生 動画にイラスト、祝福の声など偉業をたっぷりお届け

