北村晴男弁護士(67)が15日までに、自身のYouTubeチャンネルを更新。日本テレビ系連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作改変を訴えた後に亡くなった漫画家・芦原妃名子さんについて言及した。
芦原さんは、ドラマ化にあたって「必ず漫画に忠実に」と依頼していたものの原作が大きく改変した内容になっていた趣旨のことをX(旧ツイッター)でつづっていた。北村氏はこのことを受け、自身のもとに寄せられた「日本の法律では原作者を守る法律はないのですか」とのコメントについて解説した。
北村氏は「セクシー田中さん」について「当然ながら原作『セクシー田中さん』。これを使ってドラマ化する訳ですから、原作者の芦原さんには著作者としての権利があります」と話した。「難しいことはさておき著作者人格権というものがありまして、その中に同一性保持権がある。これが何かというと著作者が考える、著作者の頭の中にある原作を勝手に変えちゃいけない権利。勝手に変えられちゃ困ると言える権利。これは絶対的な権利としてある。これを侵されると著作者人格権の侵害で損害賠償など、元に戻せという権利が発生します」と指摘した。
北村氏は芦原さんのブログを読んだとした上で「芦原さんに無断で変えることはできません。ドラマにしようがデジタル本にしようが、原作者のOKなしには一言一句変えられない。裁判例を見ても句読点を勝手に変えても同一性保持権の侵害になります。もちろん原作者がOKすれば良い。だから一般にドラマや映画にする時は原作者のOKをもらって中身を変えていく。大きく変えても構わない。原作者がOKさえすれば」と裁判例をふまえて説明した。
一方で、北村氏は「ドラマの現場に携わったことはないがテレビで制作の現場をみていたから推測がつく」と述べ、その上で「ドラマ制作班はテレビで出すとしたら、多くの人にわかりやすくて面白くて納得できて感動できる作品にしたいと常に思っている。そうすると原作者そのものではないから思いが微妙にズレていく。ズレていくものを原作者は自分の思いに引き戻す権利がある。これ絶対放送してもらったら困る、こんな内容嫌だとはっきり言えば放送できない。それだけ強い権利を著作者は持ってる」と語った。「おそらく芦原さんは大変だけれども十分チェックしていこう。そういう思いを持ってドラマ化をOKされたんだと思います。ところが芦原さんの思いとは裏腹に内容を変えないでくださいという思いよりも、ある程度かは大幅かはわからないですけど、変わった脚本が上がってくる。その度にストレスを抱えながらこれじゃ困ると突き返したり、ここを変えてくださいと言ったりそういう作業をずっとされてきて大変な思いをされたんだと思います」と私見を述べた。