自民党の二階俊博元幹事長(85=衆院和歌山3区)は25日、東京・永田町の自民党本部で会見し、次期衆院選に立候補しない意向を表明した。二階氏が会長を務めた二階派は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で元会計責任者が東京地検特捜部に在宅起訴され、二階氏の秘書も略式起訴されており、その責任を取る形となった。
幹事長時代、何度も会見した党本部の会見場に、二階氏は側近の林幹雄元幹事長代理を伴い現れた。「派閥の政治資金問題で政治不信を招き深くおわび申し上げたい。政治責任はすべて監督責任者の私にある。政治責任を明らかにすべく、本日、岸田首相に伝えた」と、弱々しい声で述べた。首相の反応を問われると「首相に聞いてください」と素っ気なく答えた。
自身の不出馬会見にもかかわらず、林氏がほとんどを「代理回答」し、離党しないことや政治倫理審査会(政倫審)には今後も出席意向がないことなども、林氏が二階氏に代わって答えた。
二階氏は22年までの5年間で、政治資金収支報告書への不記載額が3526万円と、キックバック分の不記載が指摘された自民現職議員82人中、最多額だった。不出馬の背景は不記載か、それとも85歳という年齢の問題かと問われると、林氏が「不記載だ」と答えた後、二階氏は質問した記者をにらみつけるように「(出馬に)年齢の制限があるか。おまえも、その年が来るんだよ」と、すごんだ。
その後、「ばかやろう」と捨てぜりふのようにつぶやいた。
反省の態度よりも傲慢(ごうまん)な印象を強く残し、永田町では「晩節を汚す」(与党関係者)と厳しい声もある。
後継についてはこれまで自身の3人の息子が取りざたされたが、裏金事件に加え世襲批判も予想される。二階氏は「地元の判断に任せている」とだけ述べた。
第2次安倍、菅両政権で歴代最長の約5年2カ月間、「最強幹事長」として権勢を誇り、党内外ににらみをきかせてきた二階氏。しかし、岸田首相が21年自民党総裁選の公約で打ち出した党役員任期制限が幹事長を退く契機になり、岸田政権では岸田首相と距離を置いた「非主流派」に転じ、存在感を示せずにきた。
平成の時代、政治改革をめぐり自民党を1度は離れ、政党を変えながらも再び復党。そんな流れで日本政界を生き抜いてきた二階氏にとって、幹事長退任後、久しぶりの「表舞台」が今回の裏金事件という皮肉。任期いっぱいは議員を続ける意向だが、なんともさみしい形で、議員活動終幕の表明に追い込まれた。【中山知子】

